市況研究社

ご挨拶

重要事項の説明(2018年1月)

「市況研究社日報」(以下「本リポート」という)はお客様ごとの個別事情に合わせた投資アドバイスを提供するものではなく、本リポートをご覧になられた方々の財務状況や投資目的とは無関係に作成しています。市況研究社は、特定の投資あるいは投資戦略について、投資家ご自身が独自に判断されることをお勧めします。特定の投資あるいは商品戦略が適切か否かは、投資家の個々の事情や目的によって異なります。

本リポートは、商品先物の売買や何らかの取引への参加を勧誘するものではありません。過去の実績は必ずしも将来の成果を予告するものではありません。将来の価格変動等に関する見通しは一定の仮定に基づいていますが、その仮定が実現しないこともあります。

市況研究社が作成している全てのリポートは、公開情報に基づいています。市況研究社は信頼性の高い情報を包括的に利用するよう最大限の努力を払っていますが、その正確性もしくは完全性については、明示的にも暗示的にも何ら表明をいたしません。本リポートに掲載している情報または見解に変更が発生しても、市況研究社はそれを通知する義務を負いません。

市況研究社は、本リポートで提供しているデータの正確性、完全性、または適時性に関する表示もしくは保障は、明示的にも暗示的にも一切行いません。また当該データに関連するいかなる損害または損失についても賠償する責任を負いません。市況研究社の書面による同意がない限り、本リポートまたはその一部を複製、転載、販売もしくは再配布することはできません。

合資会社 市況研究社
代表社員 堀上育男

 

ウェブサイト設立の趣意 2003年9月1日

(1)「市況研究社日報」(以下「本リポート」という)は、主に各商品市場における経済活動の基礎的な条件を、できる限り正確に把握することに努めることによって、当面の相場の特徴を明らかにすることを目的にしています。

これは現在のウェブサイトで広く流布されている「海外先物市場から東京市場(円建て)への換算式」が、貴金属以外の市場ではほとんど実際の役に立っていないこと。農産物市場では「シカゴコーンから東京コーンへの換算式」と称しながら、便宜的に簡略化された式であるために、積み地のベーシス水準や海上運賃の変動が抜け落ちている。簡略化された換算式のもとでは、「シカゴの値段と為替だけ」が変数ととなり、あとはFOBベーシスもドライバルク市況も千年一日の定数扱いになっている。米国コーンを買い付ける際、船と現物数量の手配は出発点であり、それ自体が相場のはずです。

石油市場においては、「ニューヨーク原油、ガソリンから東京市場の円建て換算式」を掲げるようなサイトが依然として残っている。わが国石油会社の購入原油価格の基準は「ドバイ及びオマーン原油のスポット価格」であり、プラッツ社の査定価格(0830 GMT)です。その価格差のうえでは「ニューヨーク原油」(WTI)ではなく、ブレント原油(IPE)が指標油種として考慮されなければならない。「ニューヨーク原油」や石油製品を直接「円建て、キロリットル換算」することは、市場人気を過度にニューヨーク市場へ偏重させる要因になる。

(2)もちろん、「シカゴが安い」、「ニューヨークが高い」と、日々のヘッドラインを見て資金をシフトさせる市場人気からすれば、各商品ごとの独自な要素に詳しく立ち入る余裕などないに違いない。なんであれ、手っ取り早い単純な尺度が求められる。とくに日計りのチャート手法が全盛となった今では、かつてのような一つ二つの市場に特化する張り方は、柔軟性を損なうものとして敬遠される傾向にある。できる限り正確に現状を把握するよう努めたからといって、その正確さが保証されているわけでも、それによって必ずしも相場が取れるわけでもない。詳しく特定の商品に入り込むことによって、独りよがりの硬直した相場観を持つ危険性があり、値動きの止まった市場から活気のある市場へ、市場間で資金を動かす柔軟さにも欠けると非難されるかも知れない。

しかし、多くの市場に手をひろげても、それだけ損を出す可能性が増加する。特定の、自分自身の能力と計算の及ぶ範囲に商いを限定し、それで生き延びているのであれば良しとすべきではないだろうか。本リポートは、そうした保守的なスタンスで作成しています。数多ある商品先物サイトのなかで、現物市場の動きをふまえながら特長あるものに練り上げたいと思います。

(3)言うまでもなく、商品先物取引は利益を約束するものではありません。そもそも資金がなければ続けることも、生き残ることもできません。商品先物取引は、買いの相場だからといって買いで取れることが約束されているわけではない。

先物取引は「少ない証拠金で高い倍率を得る」というのが特徴です。このために証拠金と建玉のバランスが自らの管理能力を超えて大き過ぎるときには、建玉の重みに潰されます。テクニカル分析であろうと、ファンダメンタルズ分析であろうと、何を指標に相場を張ろうと、自らの管理能力の限度を超えた建玉では、生き残ることすら難しい。

相場で常に勝ち続けることなどできない。間違いを繰り返しても、それでも相場で生き残っているとすれば、結局は運とお金があったからと言わなければなりません。そうした厳しさの中にあって、本リポートは相場の現実的な条件と基準を提示したいと思います。

(4)最後に、市況研究社の情報提供は正確であるよう努めておりますが、分析の対象が相場である限り、利益を保証することはできません。相場は、対象であると同時に対象の活動であり、したがって対象の性質もただ変化を介してのみ意識されるというその本質的な性格からして、何かを、特別に、保証するということはできません。また、不特定多数に対して、商品先物の売買や何らかの取引を推奨する意図もありません。

2003年9月1日 合資会社 市況研究社
代表社員 堀上育男